中等度歯周病よりも更に進行してしまうと、食事が困難になるなど生活に支障がでてきます。
歯周ポケットがかなり広がり、歯根が見えてきます。歯がグラつき膿が出てくるなど、症状が顕著になります。
歯周ポケットは6mm以上に広がり、歯根に歯石が大量に付着している状態です。この状態まで進行すると、歯が残せるかどうか判断が必要になります。
口腔内の状態や隣接している歯のことを考慮して抜歯を選択することがあります。これを戦略的抜歯と言います。それにより残せる歯を守り、少しでもご自身の歯を長く使っていただけるように治療を進めます。
重度歯周病は顕著な症状を感じるようになります。
歯周病は歯周病菌が炎症を引き起こし、歯を支える骨が溶かされていく病気なので、重度にまで進行すると、歯を支えられず抜けてしまうこともあります。
歯周病は歯を失う原因の第一位です。なるべく早く治療を行うことが何よりも大切です。
歯周基本治療で歯周病の原因を改善することを第一に治療を行います。口腔内の環境を改善し、残念ながら保存できない歯がある場合は抜歯を行います。
歯の動揺が強い場合は歯周補綴治療と言って、歯を固定し安定させるための治療を行います。
また、歯ぐきの深い部分(歯肉縁下)の歯石を除去するために、歯周外科治療を行います。場合によっては歯周組織再生療法にて失われた組織を再生させる治療も行います。
歯周病が進行すると、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。特に心血管疾患や糖尿病との関連が指摘されています。抜歯により、これらのリスクを軽減できる場合があります。
歯周病が進行すると、感染が周囲の歯や骨に広がる可能性があります。問題のある歯を抜くことで、他の健康な歯や歯周組織を守ることができます。
歯周病が進行した歯は炎症や感染により痛みや不快感を引き起こすことがあります。抜歯により、これらの症状を和らげることができます。
抜歯後は歯周病の影響を受けた部分が取り除かれるため、残りの歯の清潔を保ちやすくなります。これにより、全体の口腔衛生が向上します。
抜歯を行うことで、インプラントや義歯、ブリッジなどの補綴治療を検討することが可能になります。これにより、咬合や見た目の改善が期待できます。
ただし、抜歯は最終手段であり、可能であれば歯を保存する治療が優先されます。歯周病の進行度や患者の全身状態に応じて、歯科医師と相談の上、最適な治療法を選ぶことが重要です。
主訴 | 左上が噛むと痛むとのことで来院 |
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診断 | 精密検査の結果、全額的に重度に歯周病に罹患しているのを確認した。特に左側の奥歯で噛むことができないために、噛む力が前歯にかかってしまっているのを確認した。診断は、叢生を伴う咬合性外傷、重度歯周病 |
治療内容 | 歯周基本治療にて、歯周病治療(自身の病態の把握、日々の歯ブラシ、歯科医院にて定期的なクリーニング、生活習慣の改善)の徹底を行った。その後、左下の欠損部、左上欠損部に対して、インプラント治療を行い、左側の奥歯での噛み合わせの安定を図った。叢生の改善を目的に矯正治療を行った。
それに伴い右上の側切歯を右下の小臼歯部に自家歯牙移植を行った。その後、全額的な矯正治療を行った。 |
治療期間 | 2年半程度 |
費用 | 保険診療+自由診療(歯周病治療+インプラント治療+自家歯牙移植治療+矯正治療+補綴治療) *自由診療:約200万 / 治療によって費用は変動します |
治療後の経過 | 初診から10年、治療終了から8年の写真です。この患者様は、治療終了後から4ヶ月に1度のメンテナンスに欠かさずいらっしゃっています。メンテナンスにおいては、歯科医師による噛み合わせのバランスの確認、必要があれば調整を行い、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを行っています。 |
治療のリスク | 歯周病の再発、噛み合わせは日々変化するためバランスの確認を行う必要がある。 また、被せものを入れていることから、歯肉退縮により根面カリエスができる可能性があるため、虫歯予防のためのメンテナンスも行う必要がある。 |
主訴 | 左の歯が抜けてしまった |
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診断 | 重度歯周病、咬合性外傷 (咬合性外傷とは、歯周病がある歯に対して、過度な噛み合わせの負荷がかかった時、その歯周病が更に悪化していき、骨が溶けていってしまいます。) |
治療内容 | この患者様は、糖尿病を併発していたため、内科医と連携を行い、歯周病治療と糖尿病治療を同時に行うこととした。歯周病は全身疾患、特に糖尿病との関連性が強く、歯周病治療だけでなく、糖尿病治療も同時に行うことで、双方に改善傾向が認められます。
歯の保存を求めていたが、咬合性外傷が起こっていたため、残るべき歯にも影響を及ぼしていた。したがって、治療目標を1本の歯を保存することではなく、安定した噛み合わせを構築することの重要性をご説明し、同意をえたため、戦略的抜歯及び治療用義歯を用いた治療を開始した。 歯周基本治療後、歯周病の改善と治療用義歯を用いた噛み合わせの安定が確認できたため、最終的な被せもの及び義歯(コーヌステレスコープ義歯)を装着した。 |
治療期間 | 3年 |
費用 | 保険診療+自由診療(歯周病治療+治療用義歯+コーヌステレスコープ義歯) *自由診療:約200万 / 治療によって費用は変動します |
治療後の経過 | 初診から約10年、治療終了から約7年、3か月ごとのメンテナンスを行っています。 メンテナンスでは歯周病だけでなく、糖尿病(hb-a1c)の値も確認するようにしています。糖尿病も再発させないよう、内科医との連携を強固に行う必要がある。 |
治療のリスク | 歯周病の再発、噛み合わせは日々変化するためバランスの確認を行う必要がある。 全額的に補綴をしているため、注意をしながらメンテナンスを行う必要がある。 |
主訴 | かぶせものがグラグラする |
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診断 | 重度歯周病、咬合性外傷 |
治療内容 | 精密検査をしたところ、全額的に歯周病が進行していた。上顎にはすべての歯を連結したブリッジが装着されており、下顎の奥歯の多くが失われている状態である。また、上顎のブリッジは動揺しており、噛むと不安定であり、しっかりと噛むことができなかった。 患者様に安定した噛み合わせを構築することを治療目標にし、まずは歯周基本治療と治療用義歯を持ちて治療を開始しました。 歯周基本治療終了後、下顎においては残せる歯が左下の糸切り歯のみだったため、義歯の安定と噛み合わせの安定を確保するため、左右臼歯部と右下犬歯相当部にインプラント治療を行った後、コーヌステレスコープ義歯を装着した。上顎においては、残せた歯を活用し、コーヌステレスコープ義歯を装着した。 |
治療期間 | 3年程度 |
費用 | 保険診療+自由診療(歯周病治療+インプラント治療+治療用義歯+コーヌステレスコープ義歯) *自由診療:約250万 / 治療によって費用は変動します |
治療後の経過 | 初診から約10年、治療終了から約6年患者様は三ヶ月に一度にのメンテナンスを継続されています。 |
治療のリスク | 歯周病の再発、噛み合わせは日々変化するためバランスの確認を行う必要がある。 また、被せものを入れていることから、歯肉退縮により根面カリエスができる可能性があるため、虫歯予防のためのメンテナンスも行う必要がある。 |
重度歯周病は歯を失うまたは抜歯を余儀なくされる可能性が高い病気です。歯を残したいと思うのは重度歯周病に悩まれる患者様に共通しておりますが、無理矢理残すことが他の歯に悪影響を与えることもあります。
当院では歯周病専門医が、歯を残すために全力を尽くし、残せない場合はその理由を明確にご説明しながら治療を進めることをお約束します。
現在他院に通院中の方は、セカンドオピニョンという考え方もございますので、改善できる内に手を打たれることをお勧めします。
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