中等度歯周病からさらに進行すると、食事が困難になるなど日常生活に支障が出てきます。
歯周ポケットが6mm以上に広がり、歯の根元が見えるほど歯ぐきが下がります。歯が大きくグラつき、膿(うみ)が出るなど、症状がはっきりと現れます。歯の根元には歯石が大量についている状態です。
ここまで進行すると、歯を残せるかどうかの見極めが必要になります。
重度歯周病では、はっきりとした症状を感じるようになります。
歯周病は歯を支える骨が溶かされていく病気です。重度にまで進行すると、歯を支えきれずに自然に抜けてしまうこともあります。
歯周病は歯を失う原因の第1位です。少しでも症状に心当たりがあれば、一刻も早く治療を始めることが大切です。
重度であっても、いきなり手術から始めるわけではありません。まずは歯周基本治療で歯周病の原因を改善することから始めます。お口の環境を整えたうえで、残念ながら保存できない歯がある場合は抜歯を行います。
歯が大きくグラつく場合は、歯を固定して安定させる治療(歯周補綴治療)を行います。
また、歯ぐきの奥深くの歯石を除去するための歯周外科治療や、溶けた骨を再生させる再生療法(リグロス・エムドゲインなどの薬剤を使用)を行うこともあります。
この症例のポイント
左上の奥歯が痛くて噛めない状態でご来院。検査の結果、お口全体で重度の歯周病が進行していました。歯周基本治療で炎症を改善した後、インプラント・矯正・歯の移植を組み合わせて噛み合わせを回復。治療から8年経った今も、定期メンテナンスで良好な状態を維持されています。




| お悩み | 左上が噛むと痛い |
|---|---|
| 診断 | 精密検査の結果、お口全体で重度の歯周病に罹患していることを確認。特に左側の奥歯で噛めないため、前歯に過度な負担がかかっていました。診断は、歯並びの乱れ(叢生)を伴う噛み合わせの異常(咬合性外傷)および重度歯周病。 |
| 治療の内容 | ステップ1:歯周基本治療 まず正しいセルフケア(歯みがき)の方法を身につけていただき、並行して歯石除去やプロによるクリーニングを行いながら、歯ぐきの炎症を落ち着かせていきます。 ステップ2:インプラント+歯の移植 歯を失った箇所にインプラントを埋入。また、右上の歯を右下に移植する治療(自家歯牙移植)も行い、噛み合わせの土台を整えました。 ステップ3:矯正治療 歯並びを整え、全体のバランスを改善。 ステップ4:かぶせ物で仕上げ 最終的なかぶせ物を装着し、見た目と噛み合わせを回復しました。 |
| 治療期間 | 約2年半 |
| 費用 | 保険診療+自費診療(歯周病治療・インプラント・歯の移植・矯正治療・かぶせ物) *自費分:約200万円/治療内容により変動します |
| 治療後の経過 | 治療終了から8年、ご自宅での丁寧なセルフケアを継続しながら、3ヶ月に一度のメンテナンスに通われています。噛み合わせの確認・プロのクリーニングとあわせて、良好な状態を維持しています。 |
| 治療のリスク | 歯周病の再発の可能性。噛み合わせは日々変化するため定期的な確認が必要。かぶせ物の周囲に虫歯ができる可能性(歯ぐきが下がった場合)。 |
この症例のポイント
左の歯が自然に抜けてしまい来院。検査すると、お口全体で重度の歯周病が進んでいました。糖尿病も併発されていたため、内科医と連携しながら治療を進めました。歯周基本治療で炎症を改善した後、噛み合わせを再建。治療から約7年、定期メンテナンスで安定した状態を維持されています。




| お悩み | 左の歯が抜けてしまった |
|---|---|
| 診断 | 重度歯周病。歯周病のある歯に過度な噛む力がかかり、歯周病がさらに悪化して骨が溶けていく状態(咬合性外傷)でした。 |
| 治療の内容 | ステップ1:歯周基本治療+糖尿病の管理 この患者さまは糖尿病を併発されていたため、内科医と連携して歯周病治療と糖尿病の治療を同時に進めました。正しいセルフケアを身につけていただきながら、歯ぐきの炎症を改善。歯周病と糖尿病は互いに影響し合うため、両方を同時に治療することが重要です。 ステップ2:戦略的な抜歯の判断 患者さまは歯の保存を希望されていましたが、過度な噛む力で他の歯にも悪影響が出ていたため、「1本の歯を守る」のではなく「安定した噛み合わせ全体をつくる」ことの大切さをお伝えし、ご同意のうえ戦略的に抜歯を実施。 ステップ3:噛み合わせの再建 治療用の仮の入れ歯で噛み合わせの安定を確認したあと、最終的に精密な入れ歯(コーヌステレスコープ義歯)を装着しました。 |
| 治療期間 | 約3年 |
| 費用 | 保険診療+自費診療(歯周病治療・治療用義歯・コーヌステレスコープ義歯) *自費分:約200万円/治療内容により変動します |
| 治療後の経過 | 治療終了から約7年、毎日のセルフケアを欠かさず続けながら、2〜3ヶ月毎のメンテナンスに通われています。メンテナンスでは歯周病の状態だけでなく糖尿病の数値(HbA1c)も確認し、内科医との連携を続けています。 |
| 治療のリスク | 歯周病の再発の可能性。噛み合わせは日々変化するため定期的な確認が必要。お口全体にかぶせ物を入れているため、注意しながらのメンテナンスが必要。 |
この症例のポイント
かぶせ物がグラグラして噛めない状態でご来院。検査すると、お口全体で歯周病が進行しており、上の歯のブリッジも動揺、下の奥歯は多くが失われていました。歯周基本治療で炎症を改善した後、インプラントと精密な入れ歯(コーヌステレスコープ義歯)を組み合わせて、安定した噛み合わせを実現。治療から約6年、定期メンテナンスで良好な状態を維持されています。




| お悩み | かぶせ物がグラグラする。しっかり噛めない。 |
|---|---|
| 診断 | 重度歯周病。歯周病のある歯に過度な噛む力がかかり、さらに悪化している状態(咬合性外傷)でした。 |
| 治療の内容 | ステップ1:歯周基本治療 正しいセルフケアを身につけていただきながら、歯石除去やクリーニングを徹底。仮の入れ歯でお口の環境を整えました。 ステップ2:インプラント埋入 下あごは残せる歯が1本だけだったため、入れ歯の安定と噛み合わせの確保のためにインプラントを3本埋入しました。 ステップ3:精密な入れ歯で噛み合わせを再建 上あごは残せた歯を活かして精密な入れ歯(コーヌステレスコープ義歯)を装着。下あごもインプラントと組み合わせた同じタイプの入れ歯で、安定した噛み合わせを実現しました。 |
| 治療期間 | 約3年 |
| 費用 | 保険診療+自費診療(歯周病治療・インプラント・治療用義歯・コーヌステレスコープ義歯) *自費分:約250万円/治療内容により変動します |
| 治療後の経過 | 治療終了から約6年、ご自宅でのセルフケアをしっかり続けながら、2〜3ヶ月毎のメンテナンスに通われています。 |
| 治療のリスク | 歯周病の再発の可能性。噛み合わせは日々変化するため定期的な確認が必要。かぶせ物の周囲に虫歯ができる可能性(歯ぐきが下がった場合)。 |
当院では「歯をなるべく残す」ことを治療方針の軸にしています。歯周病専門医が精密検査を行い、残せる可能性がある歯は全力で残す治療に取り組みます。やむを得ず抜歯が必要な場合も、なぜ必要なのかを丁寧にご説明し、ご納得いただいてから進めますのでご安心ください。
歯周病専門医は、日本歯周病学会が定める厳しい審査・試験に合格した歯科医師です。全国の歯科医師のうちごくわずかしかいません。当院の院長は「歯周病専門医・指導医」と「補綴専門医」のダブルライセンスを持ち、歯ぐきと骨の治療だけでなく、噛み合わせまで見据えた総合的な治療を行うことができます。
はい、もちろん可能です。他院で抜歯を勧められた場合でも、歯周病専門医の視点で改めて精密検査を行うと、残せる可能性が見つかることもあります。「本当に抜くしかないのか」を一緒に確認しましょう。お気軽にご相談ください。
重度の場合、2〜3年程度かかることが多いです。長く感じるかもしれませんが、治療を途中でやめてしまうと再発のリスクが高まります。当院では定期的に経過をお伝えしながら進めていきますので、「今どこまで良くなったか」を実感しながら一緒に続けていけます。