インプラント治療は、失ってしまった歯を取り戻すための治療法のひとつです。
虫歯や歯周病といった病気や外傷などで、生まれ持った天然の歯を失ってしまうことがあります。その部分の骨にチタン製の人工の歯根を埋め込み、義歯を取りつける方法がインプラントです。治療技術の進歩によって生まれた、まだ比較的新しい治療法です。
インプラントができるまで、なくしてしまった歯を補うにはブリッジか入れ歯しか方法がありませんでした。しかし、ブリッジは健康な歯を削らなければ取り付けられない、入れ歯には違和感があり噛む力も弱くなる、といった欠点がありました。その欠点をなくしたのがインプラントです。
主訴 | 右上の前歯が腫れる |
---|---|
診断 | 右上中切歯の歯根破折 |
治療内容 | 右上中切歯を抜歯と同時にインプラント埋入手術を行いました。インプラントを歯槽骨に埋入後、約半年後に2回目の手術を行い、その後仮歯を装着しました。仮歯にて審美、並びに噛み合わせを検証後、セラミッククラウンを装着しました。 |
治療期間 | 1年 |
費用 | 自由診療(歯周病治療+インプラント治療) 550,000円 |
治療後の経過 | 初診から約15年、治療終了から約13年経過。特に大きな問題は無く、患者様は三ヶ月に一度のメンテナンスを継続されています。 |
治療のリスク | インプラントは歯周病と似た症状(インプラント周囲炎)を発症するリスクがあります。しかし歯周病再発予防を十分に行なっていれば、その発症を抑えることができます。 したがって、歯周病再発予防、噛み合わせバランスの確認を行うためにメンテナンス(定期検診)を行う必要があります。 |
インプラントは半永久的に使えるものですが、周囲の歯肉が歯周病に感染することがあります。すると、インプラント部分まで炎症を引き起こし、最悪の場合はインプラントが抜けてしまいます。そのような事態を避けるため、インプラント治療後は定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラントをできる限り長持ちさせるため、当院ではまず歯周病などのお口の中のトラブルを解決してから治療を開始します。当院に在籍する歯周病専門医*が、責任を持って患者さまの口腔内環境を整えます。治療後のメンテナンスでも、お口の中の状態を細かくチェックしていきます。
*日本歯周病学会歯周病専門医
ご予約は「お電話」または
「WEB予約」にてお受けしています。
10:00-13:00 / 14:00-18:00
インプラント治療には、いくつかのバリエーションがあります。その中から代表的な2回法を取り上げて、インプラント治療の流れをご説明します。
初診時に、まず患者さまのご希望をお聞きします。
口腔内診査、レントゲン撮影、CT撮影、歯周病検査、噛み合わせの検査、顎の骨の検査などを行い、患者さまのお口の状態を正確に把握します。
検査結果に基づいて、現在の状態をご説明し、治療計画を決定していきます。
外科手術を行い、顎の骨にインプラントを埋め込んでいきます。約2週間後に抜糸します。
埋め込んだインプラントと顎の骨がしっかりと結合するのを待ちます。通常3~6か月かかりますが、その間は義歯で生活いただきます。
外科手術を行い、インプラントに義歯を取り付けるためのアバットメントと呼ばれる部品を装着します。
歯ぐきの傷がふさがるまでの期間で、通常1~6週間かかります。その間に仮歯を取り付け、噛み合わせの状態などをチェックします。
義歯をインプラントに取り付けます。
治療終了後、3~6か月に1回の定期検診を行い、噛み合わせ調整などのメンテナンスを行います。
このほかにも、虫歯や歯周病などで歯を抜かなければならなくなったとき、抜歯と同時にインプラントを埋め込んでしまう「抜歯即時埋入法」があります。抜歯した日に仮歯が入るので、治療期間も短く、見た目が損なわれることもありません。ただ、骨の厚みが少ないといったケースでは対応できないこともあります。
インプラント治療では、義歯を支えるためのインプラントを顎の骨に埋め込みます。そのため、顎の骨が細く歯を支えられるだけの骨量がない患者さまには、インプラント治療ができません。そのような患者さまには、増骨手術も行っていますので、一度ご相談ください。