妊娠をすると、妊娠性歯周炎やそれに伴う早産・低体重児出産のリスクが高まるため、歯科的なサポートが必要となります。
妊娠をされている方は、まずは歯科医院に受診し歯科健診を行うことをお勧めします。
*妊娠による全身の変化
1)女性ホルモンの変化
妊娠をするとホルモンバランスの変化がおこります。
これが妊娠初期に強く出現する「つわり」の原因となります。「つわり」により食生活は変化し、歯ブラシを行うことも難しくなることがあります。
また妊娠4ヶ月頃からこの女性ホルモンを栄養とする歯周病菌が約5倍に増加し、妊娠する前よりも歯周病の罹患率は高まります。(妊娠中の歯周病罹患率:66%〜98%)
2)全身的に免疫機能の低下
お腹の赤ちゃんをお母さんの体に受け入れようとするため、拒絶反応がおこらないよう免疫機能が変化します。
これにより免疫機能の低下がおこり、風邪をひきやすかったり、なかなか治らないことがおきます。
歯周病になりやす原因もここにあります。
3)唾液の性状変化
通常唾液の性状は「アルカリ性」ですが、妊娠をすると「酸性」に変化します。そして唾液の量も減少します。
このことから、歯の表面に酸性の濃い唾液とプラーク(細菌のかたまり)が大量に付着し、むし歯・歯周病のリスクは高くなります。
*歯周病と早産・低体重児出産
歯周病による早産・低体重児出産のリスクは、健康の状態よりも約20倍と高くなります。
早産とは赤ちゃんが早すぎる時期にしかも体が小さすぎる状態(低体重児)で生まれてくることです。
そのような赤ちゃんには、きちんと呼吸ができなかったり、脳に障害があったり、目が良く見えなかったりと様々な病気にかかる危険性があります。
これらを防止するためにも、歯周病治療をしっかり行うことがとても大切です。
*妊娠中のお母さん方へ
歯周病はちゃんと治療を行えば必ず改善することができます。
従って不安を抱えず歯科健診・歯科治療を是非行ってください。そして健康な口腔状態にして元気な赤ちゃんを生みましょう!
4月から杉並区内の指定歯科医療機関で歯科健診が受診(無料)できるようになりました。
鎌田歯科医院でも受診できますので、ご連絡をお待ちしております。
(杉並区住民以外の方も各自治体で同様の健診が行えます。)
妊娠36週の妻と「パパ・ママ学級」に行きました。
お腹に10kgの重りをつけ妊婦体験をしました。パパにはわからないママの大変さがよくわかりました。
妊娠中の全てのお母さん方、頑張ってください!心から応援しています。